断面、積もり重なり数万年(地層切断面ー後編ー)
令和2年12月4-6日。
週末、少し大島から離れる用事があったので、日付は土日も含んで書くことにしました。
いやぁ内地もしっかり冷えてますね…コートなしで乗り込むんじゃなかったなと思います。
TOPIC No.127-2
「地層切断面ー後編ー」
前回の記事では、本当にざっとした概要をさらっただけでした。
今回の記事では、その詳細に触れていきます。
まずはこの説明看板の解説から、理解を深めていこうかな。
地層切断面
大島の火山は世界で最も解明の進んだ火山といわれていますが、それは、この地層切断面の分析によるところも大きいのです。
大噴火の度ごとに、山頂火口から空中へ噴き上げられたスコリア(黒い軽石)や火山灰が降り積もって、みごとな地層の縞模様がつくられています。色の濃いガサガサした層が主にスコリアから成り、その上の褐色の沿層が空中で風化した火山灰です。この一組で単位層といい、一回の大噴火を示しています。
このような大噴火は、過去何万年もの間、平均百数十年おきに起ってきており、この切断面には百数十の単位層があらわれています。
大きく波打った地層は、しゅう曲によって出来たのではなく、もの地形の起伏なりに堆積したためです。地層切断面の最も道路面に近い黒い厚いスコリア層は、今から15,000年前のものといわれています。
15,000年前!?
想像できないほど、遥か昔の出来事です。
その頃から、大島を生んだ三原山は活動していたということになります。
たしかに、
濃い黒っぽい層(スコリア層)と、
風化した火山灰の層が交互に重なっています。
このように元々の地形に沿って、火山砕屑物が地表面に同じ厚さで降り積もった地質構造のことをマントルベディング(ベッディングともいう)。というそうです。
この断面図は、地学を学ぶ上では、貴重な資料となるのでしょうね。
さっき見た説明看板によれば、単位層は百数十って書いてあったけど…ここから見るとそんなにあるとは思えない。きっと圧縮されすぎて目に見えないくらい薄――くなっている層が存在するのだと思われます。
そんな貴重なものだからこそ、町は丁寧に、大切に保護・整備を行っています。
残念ながら、今年は大雨が続いた時期に一部の面が崩れてしまいました。
今はちょっと見栄えが半減してしまっていますが、別の区間は綺麗に見ることができますので、大島に来た際には、是非立ち寄っていただけたらと思います。
ショベルってこんな使い方できるの!?と驚かされる作業風景。
町の建設業者さんも、町の財産であるこの地層断面図を守るために作業しています。
歴史的にも、地学的にも、観光的にも、貴重な資源であることは間違いありません。
また、伊豆大島ジオパークとしてもイチオシのポイントなので、この先も皆で大切にしていきたいですね。
記事を書くために改めて地層断面図で足を止めて眺めましたが、
その断面が魅せる光景に再び圧倒されました。
私も、観光に来た人たちに歴史を解説できるようになったらもっと楽しんでもらえるかな?そのためには、この地層みたいに知識をどんどん積み重ねなくちゃ、ですね。
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さて、明日も頑張っていきます。🐟