灯台、照らして祈る安航を(伊豆大島灯台)
令和2年11月20日。
2007年、その発表は日本中に衝撃と歓喜の波を起こしました。
京都大学の山中伸弥教授がiPS細胞の作成に成功したことを発表した日です。
今日において、完全な実用化…とまでは至っていませんが、日々進歩していることは間違いありません。我々にとって、未来を明るく照らす希望の光ともいえるのではないでしょうか。
さて、「照らす」というワードが出てきたところで。
TOPIC No.124
大島の北西部に位置し、岡田港にほど近い、風早崎という場所に建っているのが大島灯台です。
だいぶ高台にあり、行くルートはあるのか?と不安になりますが…
大丈夫です。あります。
さっそく地図を頼りに向かいました。
都道からは外れた入り組んだ道を抜け、こんな標識がある場所へ。
車1台は通れそうなので、そのまま進みました。(すれ違うポイントが無いので、車はオススメしません。ちなみに徒歩だと10~15分くらいだと思います。
舗装はされていない林の道を抜けて、どんどん上ります。ここは一体どこなんだと思うほどに不安は増すばかりですが…
お?
ありました
とりあえず、上ってみます。
ここを上がれば、もっと近いところで灯台を見ることが出来そうです。
ふもとまで来ました。
見上げるとこんな光景!
壮観だ!真っ白な姿は、まるで教会のよう。
上にちょこんと見えるのがライトやレンズが入っているところだと思います。
大島灯台の基本情報を少しばかり。
光 度:12万カンデラ
光達距離:27海里
高 さ:地上~頭部 15.6m、水面~灯火115.6m
等 級:第4等
灯 質:群閃白光 毎30秒に 3閃光
【光度と光達距離】
「カンデラ」って単位初めて見ました。ルクスとかルーメンとか聞いたことありますが、
カンデラってのは、蝋燭が由来らしく、つまりは蝋燭1本当たりの光の量=1カンデラらしいです。じゃあ12万カンデラってどれくらい?って話なんですが、残念ながら例えられるものがありません。
代わりに、どれほど光が届くのか?という観点から見れば、
光達距離が27海里であるから、1海里=1.852km×27=約50km。
約50km先まで光が届くくらいの強さ!と解釈しています。
50km先ともなれば、対岸の伊東や下田まで届いているってことか。すごい。
【高さ】
見上げるとたしかに高いことは分かるのですが、15.6mあるそうです。ちなみに、建物自体は2代目。初代は関東大震災が原因で倒壊しており、大正15年に再建され、現在に至ります。
また、風早崎のこの高台から下にある水面までは、115.6m。幸い、周りが木々に囲まれているため落ちる心配は全くありませんが、高所恐怖症なので想像するだけでダメでした…
【等級と灯質】
等級とは、灯台に使用されているレンズの大きさを基につけているクラスです。
第1等から第6等まであり、第1等のレンズの大きさは259cm、大島灯台は第4等であり、そのレンズの大きさは72.2cmです。(約3倍の差)
また、灯質とは、灯台が発する灯光の色と光り方(リズム)のことです。海図上では「光り方」+「明(暗)間数」+「灯色」+「1周期の秒数」の形式で表記されており、他の灯台と明確に区別でき、かつ、容易に視認できるようになっているようです。
海の仕事に携わる方でないと、あまり関心を抱かないものですが、こうして直接見に来て、灯台の知識を学ぶと面白いものだなと感じました。
しかも、普段立ち入らない場所に建っているからか、どこか秘境や史跡じみた雰囲気もあり、それがまた灯台の魅力なのかもしれません。
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さて、明日も頑張っていきます。🐟